こんにちは、いいだです。
8/4に某所でなおころさん(@Naokoro_)のラジオを聴きました。
あなたが経営者に向いているかがわかる問題
なおころさんのラジオの中でこんな問題が出題されました。
【正解率4%!あなたが経営者に向いているか一発で分かるテスト】 pic.twitter.com/PoWRRrgCrt
— なおころ@ゆるふわ投資ブロガー (@Naokoro_) August 4, 2018
問題文の再掲です。
A・K・4・5と書かれた4枚のカード。
片面に数字、もう片面にはローマ字の書かれているカードがあります。
もし「カードの片面にローマ字の母音(A, I, U, E, O)が書いてあれば、その裏面の数字は偶数である」というルールがあるとします。上の4枚のカードで、このルールが成立しているかどうかを確かめるには、最小限どのカードをめくってみればよいでしょうか?
カードは何枚めくってもよいですが、出来るだけ少ない枚数をめくって、ルールを確認してください。
(出典:三田紀房 / エンゼルバンク )
この後すぐに解答を書いているので、自分で考えたい方は一度ここでストップしてください。
この問題に対して、ラジオ内で答えた人が8人くらいいたのですが、なんと正解はぼく1人だけでした。
やったね! パチパチパチ~。
あなたが経営者に向いているかがわかる問題:解答・解説
解答はなおころさんが丁寧にわかりやすく書かれていますので、詳しくはこちらの記事を参照ください。
正解は、めくるカードはAと5の2枚です。
実際にはAと4の2枚と答える人が多いようです。
簡単に解説します。
ルールは「片面がローマ字の母音なら、裏側は偶数である」です。
- Aはローマ字の母音なので、ルールによると裏側が偶数のはずです。これは確認する必要があります。
- Kはローマ字の子音です(母音ではない)。片面がローマ字の子音だった場合のルールはないので、裏側は偶数でも奇数でもどちらでもよいです。めくる必要がありません。
- 4は偶数です。片面が偶数だったときのルールはないので、裏側はローマ字の母音でも子音でもどちらでもよいです。
(わかりにくいかもしれませんが、片面が偶数だった場合に、裏がローマ字の母音か子音かについてはルールで述べられていません。) - 5は奇数です。奇数に関するルールはないので、Kや4の場合と同じように裏側はローマ字の母音でも子音でもどちらでもよい、わけではないですね。
もし、奇数の裏側がローマ字の母音(=ローマ字の母音の裏側が奇数)だったら、もともとのルールに違反しています。なので、5の裏はローマ字の子音でなければなりません。5の裏が子音でない(母音である)ことを確認する必要があります。
解説は以上です。
詳しくは↑のなおころさんの記事を読んでみてください。
正解するとなぜ経営者に向いているのか
こちらもなおころさんが記事を書かれていますので、詳しくはこちらの記事を参照ください。
なおころさんは、この記事の中で「確証バイアス」という話をされています。
「確証バイアス」から脱却するために、仮説が本当に正しいのかを検証すべし、といったことが書かれています。
詳細はこのぼくの記事では本題でないので省略します。
「確証バイアス」が気になった方は、なおころさんの↑の記事をぜひご覧ください。
※「確証バイアス」を間違えて「拡張バイアス」と記載していました。失礼しました。
いいだの解法
この4枚のカード問題、ぼくはちょっと違う考え方をしました。
仮説が正しいかどうかということは気にしてなかったです。
ではどうやって考えたかというと、高校の数学で習う命題を使いました。
問題を見たときに、「あ、命題の話じゃん」って思ったんです。
命題は、数学の「論理と集合」の単元の1つの内容です。
学習指導要領の改訂で必須科目になったりならならなかったりしているみたいなので、習っていない人もいるかもしれません。
習っていたとしても数学っぽくない内容なのですっかり忘れていると思います。
というわけで命題について説明していきます。
命題とは
命題とは、客観的に真偽(正しいか正しくないか)が決まる文です。
具体的には例えば、
- 「4は偶数である」は誰が見てもその通りなので、真の命題
- 「10は6より小さい」は誰が見てもそうではないので、偽の命題
といいます。
数字を使っていなくてもOKです。
例えば、「血液型がA型なら神経質」は必ずしもそうではないので偽の命題です。
命題に関連して、逆・裏・対偶(ぎゃく・うら・たいぐう)という用語が出てくるので以下の図で説明します。
命題が「○○ならば××」のとき、
- 命題の前半と後半を入れ替えたものが逆。つまり「××ならば○○」が逆です。
- 命題の前半と後半を両方とも否定文にしたものが裏。つまり「○○でなければ××でない」が裏です。
- 命題を逆にして裏にもしたものが対偶です。命題の前半と後半を入れ替えた上に、両方とも否定文にします。つまり「××でなければ○○でない」が対偶です。
さらに、命題が真(正しい)のとき、対偶も必ず真(正しい)となります。
逆や裏は必ずしも正しいとは限りません。正しい場合もあるけれど、正しくない場合もあるという意味です。
具体的に見ていきましょう。
命題は「ボールは丸い」とします。
ラグビーボールもあるぞ!みたいなツッコミもあると思いますが、ここではボールは丸いものであるとします。つまり、この命題は真とします。
このとき、
- 逆は「丸ければボールである」です。丸いものはボール以外にもいくらでもあるのでこれは必ずしもそうとは言えません。なので偽です。
- 裏は「ボールでなければ丸くない」です。ボールでないもので丸くないものはいくらでもあります。これも偽です。
- 対偶は「丸くなければボールではない」です。「ボールは丸い」(=丸くないボールはない)という前提があるのでこれは真(正しい)です。
このように、命題が真なら対偶も真。逆と裏は真とは限らないのです。
ちょっと難しくなってきたでしょうか。次で最後です。
4枚のカード問題に命題をあてはめる
もともとの4枚のカード問題に戻ります。
これを命題の図に当てはめてみます。
これでもよいのですが、わかりやすくするために、「母音でない」は「子音である」に言い換えて、「偶数でない」は「奇数である」に言い換えます。
するとこうなります。
少しわかりやすくなったかと思います。
ここで4枚のカードのおさらいですが、A、K、4、5の4枚です。
それではそれぞれ見ていきましょう。
- 片面がA(母音)の場合、これは命題そのものなので真です。カードをめくって真であるか(裏が偶数であるか)確かめましょう。
- 片面がK(子音)の場合、これは命題の裏です。裏は必ずしも正しいとは限らない(この場合はめくると偶数かもしれないし奇数かもしれない)ので、めくる必要はありません。
- 片面が4(偶数)の場合、これは命題の逆です。逆は必ずしも正しいとは限らない(この場合はめくると母音かもしれないし子音かもしれない)ので、めくる必要はありません。
- 片面が5(奇数)の場合、これは命題の対偶です。命題が正しければ対偶も正しいので、裏側は子音のはずです。カードをめくって確かめましょう。
ということで、めくるカードはAと5の2枚です。
ラジオで出題されてから答えを出すまでの短い時間で、これを全部考えたかというとそんなことはありません。
「命題の話だな」と思って、命題が真なら対偶も真、ということだけ考えました。
つまり、命題が真であることを確認するカードと、対偶が真であることを確認するカードを探して選んだ、とういわけです。
「カードの裏面」と「命題の裏」とで用語がかぶってしまったので、わかりにくかったかもしれませんが、いかがでしたでしょうか。
僕が経営者に向いているかはわかりませんが、数学の命題を知っていたので正解にたどり着いた、というお話でした。
では。